整備・修理

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平成17年 サントレックス ボートトレーラー 車検整備

2012/11/17

当社では多くのボートトレーラーを管理しています。今回はその中のサントレックスが車検で入庫しました。
トレーラーにも色々な種類がありますが、ボートトレーラーだけは特別です。
ただ牽引されるだけではなく、ランチングをしなくてはならないからです。
ボートを水に浮かべるため後退でトレーラーごと水に進入していくことをランチングといいますが、ボートをおろす時にはこの作業が常にあるわけです。
従って車輪のハブの部分が水に浸かることになり、水圧でハブ内に水が入りベアリングにダメージを与えてしまうのです。

車輪をジャッキアップした状態で、タイヤの上下を持って揺すってみます。この時ガタがあってはいけません。このトレーラーは左右共ガタがありました。
次に車輪を回転させてみます。左右共ゴロゴロと異音が発生しています。特に左側の音が大きいです。

この中にハブベアリングが入っています。センターにグリスニップルがあるこのタイプのハブキャップは、水が浸入しやすくあまり良いものとは言えません。
ハブキャップを外してみました。
これは右側ですが、グリスが白くなり水が入っていたことがわかります。
左側は更に水の浸入が多くグリスはグレーになってベチャベチャ状態。

分解してみました。

洗浄して部品の状態を確かめます。最初に回転させた時にゴロゴロ音があった場合は、片側2個づつあるベアリングのどちらかか両方を必ず交換しなくてはなりません。洗浄はその確認の為に行います。

手前にある4個のベアリング、大きいものがインナーで小さいのがアウターになります。
左の方がベアリングのローラーの部分が焼け方が酷いです。右側はそんなに酷くはありません。お客様の了解を取って今回は全てのベアリングを交換させてもらいました。
これでベアリング焼き付きによるハブのロックはしばらくは心配しなくても大丈夫。
今回の車検による取替部品は、左右ハブベアリングのインナーとアウター、ハブオイルシール、ハブグリス、最大積載マークでした。

ボートトレーラーの特殊性から、不安のある方は時間がある時にでもジャッキアップしてみてください。
片側ずつでいいと思います。タイヤを揺すって回転させてガタも無し異音も無し、回転もスムースならおそらく問題ないでしょう。